≪功徳-4≫
つづき…
周りで見ていた群衆が先を争って記者に言いました:「先ほど三階の部分が煙の中で消えてしまったみたいです。しかもそこに白い服を着た人がいて、空中で水を撒き、火を押しのけていました!」お隣さんもやってきました。この人は同じ三階で隣続きです。しかもその人の家には大型のガスボンベが三つあって、火事の時にガスボンベが溶けて大きな鉄のボールのようになりました。でもなぜか爆発はしていません。もしも爆発していたら、うちの四人の子供と会社の女性は、今頃粉々になっていた事でしょう!それを聞いてからは、私は背筋が寒くなり、全身冷や汗が出ました。まさに間一髪でした!
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一カ月が忙しく過ぎ、新しい家に引っ越しを済ませて、9月の新学期になりました。子供たちのピアノの教材を買う為に、私たちは一緒に衡陽路の本屋に行きました。交通銀行の廊下を通る時、突然またあの占いのおじいさんが出現しました。すぐに両手を大きく広げて、子供たちを抱きしめて放しません。そして驚いて興奮しながらこう言いました。「あなたたちは生きてたんだね?あなたたちは何ともなかったんだね?」
おじいさんは、今回ははっきりと包み隠さず私に言いました。「あなたの命運には子供は一人もいない!この夏、子供たちは皆大きな火事で死んでしまう!」以前私の四人の子供を見た時は、こんな善良で慈悲の心を持つ子供たちがひどい目に合うことが悲しくて、天の神様はなんて心無いのだと、私たちがその場を去った後もおじいさんは涙を流し、あまりの悲しさにその日は店をたたんで家に帰ってしまったそうです。おじいさんは私の子供たちが死んでしまうのをとても惜しんでたのですが、助けたくても何もできず、占いの長い経験から、「閻魔大王が死に時を決めたら、誰もそれを変えることはできない」ということを知っていたからです。おじいさんは言いました。「 人の命を長く伸ばすことなんて、私には到底できない!」おじいさんは恥ずかしそうに、また自責の念に駆られた様子でした。
私はそばにいた子供たちに、これからはこの身寄りのいないおじいさんを、自分たちの本当のお祖父ちゃんのように呼び、接するようにと言いました。おじいさんはこんなにも子供たちを可愛がってくれ、子供たちのために涙まで流してくれました。もしかしたら、その涙が子供たちを守り、大難から逃れ、生きながらえたのかもしれません。
この年、私の一番上の子は小学校をまだ卒業していなくて、一番下の子はまだ幼稚園にも行ってませんでした。二男二女の四人の子供たちです。
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また、床には古本がたくさん山積みになっているがまだ整理されておらず、子供たちも本当にうんざりしています。通るに通れず、邪魔で仕方ありません。本当にどうしたらいいんでしょう!
つづく…